ジビエコーディネーター


鹿ニュース(2021年01月26日~2月9日)

【利用】大和の道の駅、シカ肉ペットフード人気/岐阜

郡上市大和町の道の駅古今伝授の里やまとのショップで、郡上産のシカ肉を使った犬用ペットフードが人気を呼んでいる。ジビエのペットフードは店内の一角に専用コーナーを設け、犬用のおもちゃや洋服とともに売り出している。フードはシカ肉のジャーキーが中心で、大和町や明宝の業者が加工した商品が十種類ほど並ぶ。パック入りのシカの肉付き骨もある。価格は五十グラム入りのジャーキーが千百円、肉付き骨は一本千五百円。一般的なフードに比べればかなり高級だが、売れ行きは好調。店長は「一度に五、六千円分の商品を購入されるお客さんが目立つ」と話す。(2021/1/26 中日新聞より)

 

【利用】ジビエ料理の旗手、『ラチュレ』シェフが考える「サステナブル」

青山のフレンチ『LATURE』の料理は、まさにジビエ尽くし。シカ、クマ、などの肉を混ぜたものにフォアグラを詰め、パイ生地で包んで焼き上げたパテ・アン・クルート、エゾジカのモモ肉のローストなど。料理として出せない肉はミンチにしたり、コンソメを作るという。「家畜と違い、ひとつとして同じものがないのがジビエ。美味しいジビエを食べていただくには、自分がハンターになるしかない」と、室田シェフは和牛やジビエなどを扱う「有限会社横内商店」の社長で、自身もハンターである横内誠さんに相談。横内さんのアドバイスもあり、シェフは2009年に狩猟免許を取得。2016年に『LATURE』をオープンし、わずか1年3か月で『ミシュランガイド東京2018』で一つ星を獲得。『ミシュランガイド東京2021』では「グリーンスター」としても紹介された。ジビエを美味しく食べることが、サステナブルにつながると室田シェフは考えている。しかし緊急事態宣言により予約がキャンセル、用意していた食材が不要になるケースも多い。「営業時間が短縮になったからといってシカやクマが減るわけではありません。食肉施設の冷凍庫にジビエの在庫がいまも増え続けています」最初の緊急事態宣言では対応できなかったが「二度目もある」と想定し、食品メーカーと、ジビエの缶詰、レトルトのハンバーグとカレーの商品化を進めてきた。ジビエの缶詰は春頃発売予定という。(2021/1/26 Foodist Mediaより)

 

 

【対策・利用】動画で“狩猟体験”ふるさと納税返礼に/兵庫

養父市はふるさと納税の返礼品として、リモート形式で狩猟を体験できるサービスを始めた。市によると、このような返礼品は全国初。2月1日から募集を始める。同サービスでは、市内に設置された遠隔操作型の大型囲いわなを中継する。利用者は専用アプリで、わなの様子をリアルタイムで見ることができる。わなに鹿やイノシシが入ると通知される。動画を見ながら、チャット形式で猟師と自由にやりとりすることもできる。寄付額は5万円。2月1日からの募集分では、4、5月の2カ月間、中継動画を楽しめる。終了後には鹿肉400グラムが手元に届く。(2021/1/26 日本農業新聞より)

 

【利用】シカ肉使ったレトルトカレー、東海大生がパッケージをデザイン/神奈川

伊勢原市で獣捕獲されたシカの肉を使ったレトルトカレーが売り出された。地元企業のセゾオンが家庭でジビエを味わえるようにと開発。セゾオンは、同市役所で、お食事処を運営。市からシカを有効利用するための商品開発の打診を受け、昨年四月にメンチカツカレー、同八月にはミートボールスパゲティをメニュー化してきた。大山地区の施設「猪・鹿肉問屋阿夫利山荘」で処理加工された肉を使用し、パッケージにはシカの顔をかたどった「鹿肉」の文字と角、地元の霊峰大山が描かれている。平塚市にキャンパスがある東海大でデザインを学ぶ鈴木さんがデザインした。一人前二百グラムで八百四十二円。市役所売店などで販売する。(2021/1/27 東京新聞より)

 

 

【利用】本巣市の学校給食にジビエ料理/岐阜

本巣市では1月27日、市内で捕獲・加工されたシカ肉を使った料理が学校給食で初めて提供された。市ではコロナ禍で苦しむ市内の生産者を支援しようと、給食のすべてのおかずに市内の食材を使用する「もとまる給食の日」を2020年10月から設けている。27日はシカ肉を使ったジビエ料理が、幼稚園や小中学校の給食で提供。このうち真桑小学校では、シカ肉入りの混ぜご飯を児童たちが味わった。本巣市では、来年度から年に2回、ジビエ料理を給食で提供していく予定。(2021/1/27 ぎふチャンネルDIGITALより)

 

【被害・対策】シカの痕跡探し獣道へ/長崎

佐世保市の九十九島ビジターセンターは、新年度から南九十九島でシカの生息状況の調査に乗り出す。市有害鳥獣対策室によると、2015年度、地元猟友会が捕獲したシカの頭数は51頭だったが、19年度は189頭と約4倍に急増。農作物被害も15年度は0件だったが、19年度は9件報告された。同市で生息が確認されている鹿町町はもともと「鹿待」と書く。シカが多く生息し、猟師が捕獲のために待機した場所、との説もあるという。同センターは今後、予備調査をもう1回行い、南九十九島での具体的な調査場所などを決める予定。(2021/1/28 長崎新聞より)

 

【対策】「わな稼働」お知らせ 鳥獣害対策でNTTと実験/群馬

安中市はNTT東日本と連携し、ICTを活用した鳥獣害対策の実証実験を始めた。わなにICT機器を設置し、動物がかかると、登録されたスマートフォンなどにメールや画像を発信する。自治体と同社による同様の実験は県内で初めて。データは蓄積され、わなの稼働状況を把握できるため、害獣の生息地や行動パターンの予測につなげることも期待する。二月末まで実験し導入を検討する。(2021/1/28 東京新聞より)

 

 

【対策】街からはじめる鳥獣対策、ニュースサイト「ドットワナマガジン」をリリース

(株)WorkVisionは、都市部在住者へ向けて鳥獣対策活動の啓蒙・情報発信を行うウェブマガジンサイト「ドットワナマガジン」を1月27日よりリリースした。鳥獣対策に「都市部在住者を巻き込む」という発想で被害地域の応援を行うプロジェクト「.Wanna!(ドットワナ)」を展開しており、鳥獣対策に対する日本初のビジネスモデルとして特許認定され、農業・狩猟関係者のみならず、自治体、NPO、研究団体などからも高い評価を得ている。また、小田急電鉄(株)をはじめとし、活動に賛同する企業・団体とのコラボレーション企画も順次展開していく。「ドットワナマガジン」では、プロジェクト賛同者が「都市部在住者が読んでも分かり易く、親しみやすく、ここでしか読めない記事」を執筆。また、「『狩猟はできない』という制約がありつつも鳥獣対策へ取り組む都市部在住者のドキュメンタリー」や、「スマートフォンアプリを通じた鳥獣対策地域の応援活動」など、鳥獣対策活動をより身近に感じる工夫を凝らしていく。ドットワナマガジンでは、(1)「狩猟の道」カテゴリ、(2)「狩ガール」カテゴリ、(3)「ジビエグルメ」カテゴリ、(4)「鳥獣トラブル」カテゴリ、(5)「.Wanna!プロジェクト」カテゴリの5つのカテゴリをオープンしている。(2021/1/28 DreamNewsより)

 

【対策】鳥獣被害軽減へ官民連携4商工会が意見交換会/神奈川

城山・津久井・相模湖・藤野の4商工会で構成する「津久井地域商工会連絡協議会」は12月16日、地元自治会や観光協会、市関係者などと「鳥獣被害による意見交換会」を行った。意見交換では、4地域それぞれサル、イノシシ、シカを中心とした鳥獣被害が多い状況を報告。地域によってはハクビシンやアライグマなどの被害も増えていて、電気柵や罠による対策では万全でない現状が報告された。市からは行政の補助金に影響する「野生鳥獣による農業被害調査表」の提出の協力が求められ、住民、行政、猟友会などの連携が一つのカギとなるが、猟友会会員の高齢化対策も必要。被害状況をまとめ、具体的な対策を話し合っていくことなどが確認された。(2021/1/28 タウンニュースより)

 

【利用】ジビエ居酒屋「米とサーカス」が獣鍋をテイクアウト・デリバリースタート

ジビエや希少肉を扱う居酒屋「米とサーカス」・ジビエ肉バル「パンとサーカス」は1月23日より、新たなテイクアウトデリバリーサービスを開始した。「米とサーカス」では紅葉鍋(エゾシカ)、牡丹鍋、熊味噌鍋、穴熊味噌鍋の4種の天然ジビエを使った「獣鍋」を。「パンとサーカス」ではエゾシカ肉を80%使用した「鹿ハンバーガー」を提供する。紅葉鍋は1人前1680円。好きな肉をトッピング可能でオリジナルな組み合わせを楽しめる。鹿ハンバーガーはテイクアウトデリバリー限定商品で、フライドポテトセット1500円。パティは、つなぎ無しのミート100%。トッピングは目玉焼きやチーズ。(2021/1/29 valuepressより)

【利用】鹿肉料理が味わえる古民家レストラン「無鹿リゾート」/兵庫

丹波にある農村の古民家を改装したレストラン「無鹿リゾート」。鹿肉料理専門店として2010年に誕生した同店は、2018年にリニューアル。地元の旬の食材を用いた、こだわりの鹿肉料理が堪能できる。野菜6種と鹿肉3種の前菜盛り合せ、本日の野菜と鹿肉のメインなどがセットになった「無鹿のコース 2,800円」、「森の恵みコース 3,800円」など。シンプルな鹿肉の美味しさが味わえる「しかくぃ鍋」、地酒純米酒の酒粕で作る冬季限定の「白鹿鍋」などが用意されている。(2021/1/29 Kiss PRESSより)

 

【利用】ふるさと給食おいしい発見、地場産品豊か/石川

白山市立白嶺中学校の1月28日の給食の献立は、学校から歩いて20分ほどの場所で栽培されたナメコの混ぜごはん、シカ肉と野菜のみそ焼きなど、地元食材を使い生徒が考えたもの。食材を通じて地元を知る同校の試み。1年の山本蓮さんが考案したもので、県学校給食会と県教委が毎年開く「中学生学校給食献立コンクール」で1667点の中から努力賞に選ばれた。メニューを全員で考えて応募しようと発案したのは、栄養教諭の中先生。学級活動の時間に、地元でどのような肉や野菜、加工品が作られているかを紹介した上で、自宅で家族と一緒に献立を考えてもらうという。高校進学時に地元を離れる生徒もいる。生徒たちが郷土を思うきっかけになれば、と中先生は願っている。(2021/1/29 朝日新聞デジタルより)

 

【対策】鳴き声やドローンから観測、尾瀬のシカ調査/東大、福島大

東大や福島大の研究者らが、尾瀬国立公園の尾瀬ケ原に生息するニホンジカの数を、鳴き声やドローンによる観測から推定する手法を開発した。この手法で、600頭前後が生息していると今回初めて推定された。東大生産技術研究所の沖一雄特任教授や福島大食農学類の牧雅康准教授らの研究チームが1月29日までに、スイスの国際科学誌「センサーズ」や国内の学会誌に発表した。環境省によると尾瀬ケ原にどれくらいニホンジカが生息しているか推定されたことはなかったという。今回の研究は3年間にわたって行われ、繁殖期のオスジカの鳴き声に着目。複数設置したマイクロホンに届く鳴き声のタイミングのずれからシカの位置をリアルタイムに特定し、尾瀬ケ原全域のシカの分布を把握することに成功した。また、熱赤外カメラを搭載したドローン2台を飛ばし、シカの数を把握する手法を開発。これまでのデータと組み合わせて生息数を推定した。人が踏み込むことによる自然環境への影響を最小限に抑えることができる調査だ、としている。将来的にはより精度の高い推定手法を開発したいとしている。(2021/1/30 福島民友新聞より)

 

【利用】ジビエ、新たな販路/岐阜

ジビエ業界が、ペットフードへ新たな販路を拡大している。本巣市の里山ジビエ会では、主にペット用として、この五年間でシカ肉の需要が急増した。新型コロナによる需要減も相殺するほどの売り上げとなっており、新たな市場として期待されている。根尾川沿いにあるシカ肉加工施設には、年間約千三百頭のシカが生きたまま運び込まれ、うち七割がペットフード向けの肉として出荷される。血抜きをして皮をはぎ、熟成庫で約三日間保存。骨を取り除いて肉に加工し、市内直売所や取引先へ卸す。生きたまま血抜きをすることで獣肉独特の臭みや硬さが消えるため、施設では生体搬送にこだわっている。(2021/1/31 中日新聞より)

 

【利用】テレワークに最適、Comfort Library Cafeが4ホテルにオープン

(株)チョイスホテルズジャパンは、コンフォートホテルに、テレワークにも適した、宿泊者が無料で利用できるオープンスペース「Comfort Library Cafe」をオープンした。カフェにはホテルのある地域ならではの本を100冊以上揃えている。内装にもこだわり、地域をイメージしたデザインやディスプレイが取り入れられた開放的な空間が広がる。コンフォートホテル奈良のカフェは鹿の角をイメージした本棚や、奈良の風景と鹿が描かれた壁紙など、随所にちりばめられた鹿のモチーフが印象的だ。(2021/2/1 PRTIMESより)

 

【利用】地産地消へ調理教室、シカ肉ソーセージ作り/北海道

エゾシカの地産地消を促そうと、滝上町は1月31日、シカ肉入りのソーセージ作り教室を町農産品加工研究センターで開いた。町民15人が参加し、町外の鳥獣肉処理施設から仕入れたシカ肉2キロをひき肉にし、豚ひき肉、ショウガ、ニンニクと混ぜて皮に詰め、桜のチップを使って約2時間いぶした。事前に作ってあったソーセージを試食し、完成品は各自持ち帰った。(2021/2/2 北海道新聞より)

【利用】ぐっち夫婦とコラボした料理教室&キッチンカー販売「ジビエキッチン」

(株)テレビ東京コミュニケーションズは2月、料理家のぐっち夫婦とコラボしたオンライン料理教室のライブ配信と、都内各所でキッチンカーによるジビエ料理の販売を行うイベント「ジビエキッチン」を開催する。「ジビエト」主催イベントの第二弾。ライブ配信では、簡単で美味しい料理を発信するぐっち夫婦が「ジビエをもっと身近に」をテーマにジビエレシピをご紹介。さらに2月中、その料理が食べられるキッチンカーを都内各所に出店し、青空の下やご自宅で楽しめるようにテイクアウト販売をします。(2021/2/2 PRTIMESより)

 

【対策】害獣レザーを加工、サイエンスエデュケーションラボ/千葉

千葉県が抱えるイノシシなどの有害鳥獣問題。科学関連の講座や教材開発などを手がける一般社団法人、サイエンスエデュケーションラボ(千葉県柏市)は、そうしたキョンやイノシシ、シカなどの害獣のレザーを革製品や教材として活用するプロジェクトを始めた。(2021/2/2 日本経済新聞より)

 

【その他】「冬の鹿寄せ」全日程中止を検討

奈良市と奈良市観光協会は、当初、1月8日から3月6日まで、「冬の鹿寄せ」を開催する予定だった。新型コロナの感染拡大や、緊急事態宣言が出されたことを受けて、今月7日まで中止し、11日から再開する予定だったが、緊急事態宣言が延長される見通しとなったことを受けて、来月6日までの全日程の中止を検討することになった。今週末にも対応を正式に決定したいとしている。(2021/2/2 NHK NEWS WEBより)

 

【利用】”荒木町ろっかん”が作る料理セットがふるさと納税の返礼品に/岡山

西粟倉村のふるさと納税の返礼品として、ミシュランガイド東京2021に掲載された、四谷三丁目にある「荒木町ろっかん」が作る西粟倉村食材の料理セットの受付が開始された。「おうちでろっかん」1人前セットor 2人前セット(共に4~6品)。注文時に一番いい状態にある食材を使った、その日、その時にしか味わえない料理セットを提供。例えば、鹿肉の八丁味噌シチュー、鹿肉のスネと野セリの煮込み、鹿肉の芯玉ロースト バルサミコソースなどが真空パック、冷蔵で届く。(2021/2/2 PRTIMESより)

 

【対策】南アルプス環境保全基金創設へ、リニア新幹線対策にも/静岡

ユネスコのエコパークに登録されている南アルプスの価値を再認識してもらおうと、静岡県が環境保全のための基金を創設する方針を固めた。南アをめぐっては、JR東海が東京・品川-名古屋間の令和9年開業を目指すリニア中央新幹線の長大なトンネル計画に対し、静岡県と周辺自治体は自然環境と大井川の水資源への影響を懸念し、静岡工区着工を認めていない。自然保護に力を入れ、価値を広く県内外に発信することで、県の立場や主張の補完もしたい考え。静岡県側からの登山道は人の出入りが少なく手つかずの自然が残る一方で、シカによる高山植物の食害が出ている。県は基金を利用し、広範囲に防護柵を設置し、猟友会員に一定数のシカの捕獲を依頼する。ユネスコエコパークは自然保護と活用の両立を目指す生物圏保存地域のことで、南アは7年前に登録された。県はこれまでボランティアに頼って食害対策を細々と実施してきただけで、予算を確保して計画的に環境保全活動を行うのは初。(2021/2/3 産経新聞より)

 

【対策・利用】熊谷でジビエ研究会発足/埼玉

「熊谷ジビエ研究会」が2月1日、熊谷市に発足した。参加メンバーは市内で印刷会社を営む萬年さん、フランス出身でジビエ料理に詳しいオスカー・ラビさん、熊谷市立江南文化財センターの職員ら。野生動物の適切な管理方法や食文化としての利活用について研究を進める。江南地域の遺跡でシカやイノシシなどを捕獲し食用とした縄文時代の「落とし穴遺構」が発見されたことから、原始人の狩猟方法を含む「ジビエ」文化に関する歴史調査も行う。野生鳥獣害問題も活動理由の一つ。現在、「落とし穴遺構」周辺の谷津沼の農業については「世界農業遺産」への登録を目指しており、熊谷ジビエの発信を通じて登録を後押ししたい。研究成果やレシピ案の公開に向け3月上旬にはブログを開設予定。(2021/2/3 熊谷経済新聞より)。

 

【利用】寒気と技で理想のカーブ「にべ弓」最盛期/兵庫

弓道の和弓作りが、兵庫県上郡町の工房で最盛期を迎えている。寒さが厳しいこの時期は昔ながらの手法で作る貴重な「にべ弓」の製作に大忙し。「にべ」は、鹿の皮でできる膠のことで、弓の材料を貼り合わせる接着剤の役割を果たす。現在は合成接着剤が使われることが多いが、にべ弓は主に上級者から求められる。弓工房播磨では、弓師の播磨竹禅さんとその弟子たちが、微調整を加えるため、弓を炭火であぶって固まったにべを温め、新たにくさびを打ったり外したりしていた。気温が高いとにべが固まらなくなるため、にべ弓作りは3月末頃まで。この間に30~40張を製作し、にべが安定するまで2~3年寝かせてから販売される。播磨さんは「にべ作りは師匠からの秘伝のため作り方を知らない弓師も多い。にべ弓のよさを伝えていくためにも作り続けたい」と話した。(2021/2/4 産経新聞より)

 

【海外】シカの群れを救出 氷の割れ目に/ポーランド

ポーランドの湖で、凍りついた水面の割れ目に、30頭以上のシカが落ちて抜け出せなくなった。消防隊員らがボートで近づき、ロープで1頭ずつ引き上げ、15頭ほどを救助。シカの角を狙った密猟者が、爆竹を使って湖に追いやったことが原因とみられている。(2021/2/5 FNNプライムオンラインより)

 

【対策】ドローンから鳴き声でシカ追い込み、猟友会が試験導入/京都

京都府猟友会がドローンの活用を試験的に始めた。初日は福知山市に会員ら約20人が集まり、犬の鳴き声の入ったスピーカーを付けたドローンを使い、シカを捕獲した。操縦者は犬の鳴き声や花火の爆竹音が大きく聞こえるよう、スピーカーの角度やドローンの高度を調節し、ハンターとの連携を確認した。府猟友会の会長は「手応えはあったが、犬の鳴き声が聞こえる範囲が狭く、音の大きさの調節が必要と分かった。改良を重ね、本格的に導入していきたい」と話した。(2021/2/5 京都新聞より)

 

【利用】羽咋の中村さん 革細工、料理の店開設/石川

羽咋市の中村さんは2月4日、自宅敷地に、能登で捕獲されたイノシシやシカの肉料理、革製品を販売する「中村屋」を開店した。能登で仕入れるイノシシやシカ肉を使ったランチメニュー、静岡のお茶などを提供。客が持ち込んだ自家栽培の野菜と、割引券や別の野菜と交換する場も設けた。静岡県沼津市出身の中村さんは、夫の出身地である羽咋に2013年に移住。夫が捕獲するイノシシの料理に魅了され、ジビエ料理などを多くの人に知ってもらいたいと考えた。(2021/2/5 北國新聞DIGITALより)

 

【その他】国産ジビエ認証施設に「屋久鹿ジビエ王国」を認証/農水省

農林水産省は2月4日、国産ジビエ認証制度にかかる認証機関により、国産ジビエ認証施設(第18号)として、(株)屋久鹿ジビエ王国が運営する食肉処理施設「屋久島ジビエ加工センター(鹿児島県屋久島町)」が認証されたと発表した。取扱獣種はシカ。(2021/2/5 農業協同組合新聞より)

 

【その他】今西清兵衛商店がオンライン催し、特別ラベルの限定酒販売/奈良

清酒醸造元の「今西清兵衛商店」は、2月28日に酒蔵見学オンラインイベントを開く。限定酒を購入すると提供されるQRコードから申し込み、パソコンやスマートフォンで参加。当日は購入した酒を飲みながら酒造りなどについて知識を深められる。限定酒は2種類で同社ショップ、またはオンラインショップで限定600本販売。鹿が酒を仕込むラベルのイラストは、奈良市在住のデザイナーが手掛けた。売り上げの一部は国立国際医療研究センターに寄付される。オンラインイベントには今西社長と、日本酒通タレントの吉川亜樹さんが出演。酒蔵案内やラベルにまつわるトークなどを繰り広げる。(2021/2/5 奈良新聞より)

 

 

【対策】激辛スプレーに囲いわな、シカ食害・交通事故の対策着々/北海道

根室市の落石地区では、エゾジカ捕獲のための囲いわなが設置されている。落石地区のわなは根室振興局が設置。高さ2・7メートルの板製の囲いに餌の牧草ロールを置き、一定数のエゾシカがわなに入ると、遠隔操作で入り口の扉を閉める。道内での囲いわなによるエゾシカ捕獲の約半分は、根室振興局管内が占める。猟銃でも捕獲されているが、温暖化で雪が減り、餌の草が捕りやすくなったことで生息数は高止まりしている。根室振興局の担当者は「食肉への有効利用を図りつつ、囲いわなの試みに今後も力を入れていきたい」としている。 雨竜沼湿原では「激辛スプレー」作戦が試みられた。考案したのは「雨竜沼湿原を愛する会」の副会長、佐々木さん。高山植物への食害が深刻で、特にエゾカンゾウはつぼみの段階から食べられ、開花から10日ほどで花が消える。昨年、エゾカンゾウの開花期に数日おきに噴霧した。効果はあったが、スプレーが雨で流れ落ちた後は、エゾシカが調査区内の花茎も食べていた。雨が上がった直後に噴霧できればいいが、雨竜沼湿原は登山口から約1時間半もかかるため天候に合わせた柔軟な噴霧作業は難しい。管理施設が近い低地の湿原では作業がしやすく、効果を発揮できそうだ。佐々木さんは「雨竜沼では別の方法を考えなくては」と話す。(2021/2/6 朝日新聞デジタルより)

 

【対策】道森林管理局、大型囲いわな公開/北海道

北海道森林管理局は2月5日、苫小牧市の国有林で1月から行っている大型囲いわなを使ったエゾシカ捕獲事業の現場を自治体関係者らに公開した。道東地方では国有林に囲いわなを設置しているが、道央圏では初めてという。わなは全長20メートル、幅17メートルで、周囲を高さ3メートルの板で囲っている。餌でシカを誘い、落とし扉を遠隔操作して閉じ込める。3月までに5回行う予定で、シカは食肉に加工される。苫小牧市内の国有林は、恵庭市の国有林で起きた猟銃誤射による死亡事故を受け、9割以上が猟銃の禁猟区になっているため、囲いわなによる駆除に踏み切った。同局は来年度以降、道央圏の他の地域でも大型囲いわなの捕獲事業を展開したいとしている。(2021/2/6 北海道新聞より)

 

【対策】シカの食害、広域連携で拡大食い止めよ/福島

県は新年度から5年間のシカの年間捕獲頭数を、850頭から1,400頭以上に増やす第2期管理計画案をまとめた。現在の生息数は3,100頭と推定され、2025年度末までに千頭に減らす目標を掲げた。イノシシやサルに比べ被害額は少ないものの、19年度のイネ、ソバなどの農業被害は前年度の2.5倍に急増した。尾瀬国立公園内の希少植物の食害も問題となっている。尾瀬では、湿原周辺に設置した防護柵が、ニッコウキスゲなどの被害回復に役立っている。田畑に隣接する耕作放棄地や、やぶの刈り払い、シカの餌場となる牧草地を柵で囲うなどの環境整備は欠かせない。県内では8市町で野生鳥獣に詳しく、農作物の被害対策を支援するリーダーが活動している。専門的な知見を活用し、各地域の被害や目撃情報を集約するとともに国、隣接県と情報共有を図り、監視を強化していく必要がある。地域全体で自分たちの田畑を守っていく意識を高め取り組むことが求められる。(2021/2/7 福島民友新聞より)

 

【その他】シカへのえさやり禁止、チラシや見回りで周知へ/奈良

「奈良のシカ」へのえさやりが増えていることを受け、県と奈良の鹿愛護会は、「えさやり禁止キャンペーン」を展開している。2月28日までの間、チラシ配布などで周知を図る。観光客が激減し、鹿せんべいをもらえずシカが飢えているという誤解がSNSなどで拡散されたため、パンやスナック菓子、野菜などを与える人が増加。パンや菓子類はシカの健康に悪影響を与え、野菜も味を覚えると公園周辺の農作物被害悪化につながる。2月1日には県や奈良の鹿愛護会が同公園で看板を設置。通行人にチラシを配布してえさやり禁止を呼び掛けた。えさやりの多発エリアで夜間パトロールも実施した。(2021/2/7 奈良新聞より)

 

【利用】薬膳指導者の鹿肉シチューがジビエ料理コンテスト入賞/京都 

京都府福知山市の薬膳指導者の女性が考案した鹿肉を使ったシチューが、全国から応募がある「ジビエ料理コンテスト」で入賞した。(2021/2/7 京都新聞より)

 

【利用・対策】素材は食害の鹿、注目集める里山再生ビジネス/福岡

新宮町の小島さんが昨年2月に起業して始めた「鹿革の活用ビジネス」が注目を集めている。捕獲した鹿の皮をバッグや財布に加工、販売して有効に活用する事業が高く評価され、今月開催された同県主催の「福岡よかとこビジネスプランコンテスト」で大賞を受賞した。狩猟免許を持つ小島さんは、自ら町内に仕掛けたわなで捕獲するほか、県内のほかの施設に持ち込まれた鹿の革を買い取っている。活動をSNSで発信したところ評判を呼び、月30~50万円の売り上げがある。使用する皮は1年間で250~300枚。小島さんは野生動物との現状について「人との関係が崩れている」と考え、興した会社名は「totonoi(ととのい)」。名刺に「持続可能な里山事業を10つくる」と掲げ、事業の多角化を目指す。(2021/2/8 西日本新聞より)

 

【対策】シカ食害対策強化 環境省新計画、年度内に策定/栃木

ニホンジカの食害から希少な植物を守るため、環境省は年度内に、日光国立公園日光地域の「生態系維持回復事業計画」を策定する。自然公園法に基づく計画で、関係機関の役割をより明確化し、対策の効果を高めることなどが狙い。策定を機に奥日光や足尾地区でシカの捕獲を強化することも予定している。同省中央環境審議会の小委員会が1月、計画策定を諮問され、了承した。国立公園での策定は知床や尾瀬、白山などに続き12例目。同省によると、日光では1984年の豪雪を最後に降雪量が減少。シカの個体数が急増し、シラネアオイをはじめとする高山植物や湿原、林床などに被害が目立ち始めた。対策が講じられているが、シカの生息密度は依然高く、植生の回復は一部地域にとどまる。(2021/2/9 下野新聞より)

 

【対策】原田産業、鉄道向け鹿対策音声装置を拡販

原田産業は、鉄道業界向けに鹿対策用音声装置「シカ離レール」の販売を拡大する。2020年春にJR西日本で試験採用され、ニーズは高いと判断。他の鉄道会社へも提案を強化する。JR西から15年に相談を持ちかけられ、ポーランドのNEELの製品が使えると判断。日本仕様に改良を重ね製品化した。装置から発生する警戒音は動物が危険を感じたとき、仲間に知らせる鳴き声。音声はニールとワルシャワ生命科学大学が共同開発した。列車が来る1分半前から流す。時刻表をベースにプログラムするが、今後は通信機能で遠隔でのプログラム書き換えなども検討する。電源は太陽光パネルと蓄電池で構成し製品重量は60㎏。システム価格は1台150万円で、1台のカバー範囲は70m。10年間メンテナンスフリーで対応できるという。(2021/2/9 日刊工業新聞より)

 

【対策】鹿を年間400頭駆除するハンター親子/北海道

白糠町の松野穣さんと次女の千紘さんは、年間400頭のエゾシカを仕留める「ハンター親子」。2007年に穣さんが(株)馬木葉を立ち上げ、解体処理加工場も営み、年間4000頭を処理。ジビエとして全国へ出荷する他、従業員をハンターとして養成する、全国でも珍しい経営を進める。千紘さんは小学生低学年の頃から、父の姿を見て猟を学んだ。23歳で散弾銃の免許を取得し、猟友会白糠郡支部では唯一の女性ハンターとなった。同社ではエゾジカを7つの部位に分ける。処理の速さは1頭当たり7、8分と驚異的で、加工技術も的確と評判だ。販売ルートは口コミなどで全国に広がり、約1000件と取引するまでになった。「エゾ鹿肉のキーマカレー」「鹿肉フランク」といった加工品も販売する。15年からは同町のふるさと納税の返礼品に採用されている。(2021/2/9 日本農業新聞より)

 

【目撃情報】

・高校の女子トイレにシカが…大井で捕り物2時間、山に放す/神奈川 1月29日午前、県立大井高校で「シカが学校敷地内に侵入した」と松田署に通報があった。シカは体重60~70キロの雄で、7~8歳とみられるという。1階の窓を破り侵入し、改装工事中だった2階の職員用女子トイレに入り込んだ。職員らがベニヤ板などで入り口を封じて閉じ込め、午後から猟友会や同署員らが捕獲し、近くの山に放された。生徒や教職員にけがはなかった。(2021/1/29 カナロコより)

・大泉にシカ「11頭」群れ、利根川中州で目撃/群馬 1月29日、大泉町の利根川中州でシカの群れが目撃され、同町と大泉署が注意を呼び掛けている。午前9時半ごろ、住民が埼玉県側から川の中州に渡るシカ11頭を目撃し、町に通報。職員が現地に駆け付けたところ、7頭を確認したという。監視を続けたが、途中で行方が分からなくなり、日没により終了した。(2021/1/30 上毛新聞より)

・シカの群れ市街地に/北海道 苫小牧市内が大雪に見舞われた1月29日、中心部の住宅街に10頭以上のシカが出没し、付近の住民を驚かせた。(2021/1/30 苫小牧民報より)

・熊本市内で鹿が出没して車と衝突/熊本 熊本東署は2月2日、熊本市東区で1日午後8時50分ごろ、鹿1頭が出没して車両と衝突する交通事故が発生したとして、防犯メールで注意を呼びかけた。(2021/2/2 西日本新聞より)